皆川学習会

函館から本物の「教育革命」を実現します。

スマホ依存脱却への挑戦から大きな人間的成長の実現へ

スマホ依存の現実

人類は大きな経済的変革を経験してきました。第一は狩猟採集社会から農耕生産社会への移行である「農業革命」です。第二は蒸気エネルギーと機械導入による「産業革命」です。第三は今我々が経験しているコンピューターを使った「デジタル革命」です。
経済的な革命は人々に多くの利益をもたらしますが、大きなマイナスも潜んでいます。農業革命では多くの奴隷が苦しみ、産業革命では世界的大戦で数千万人の若い命が失われました。
この「デジタル革命」では子供たちの“脳を壊す”という現実がコロナ禍を通して明確になってきました。2015年~2021年の学術データや研究論文が公表されるようになりました。

①スマホの使用時間と学力

中学生におけるスマホ保有率は75%~80%以上となっています。使用時間とテストの成績【偏差値(SS)】との関係は1日の使用時間が1時間以内はSS値50以上を確保していますが、1日3時間以上はSS値47以下というデータがあります。とくにテスト前にしっかり学習してもSS値が上昇しない生徒が大半であるという数値データもあります。
平常の長時間スマホが脳を破壊しテスト前の対策学習が成果につながらないと指摘する研究者もいます。

②自宅学習と「ながらスマホ」の影響

「スマホで音楽を聞きながら」が「動画を見ながら」となり、やがて「ゲームをしながら」となって、全く自宅学習が成立しなくなります。さらに「勉強しているのに?」という自己錯覚の世界をつくりだし、自分自身を虚構の世界へと導くことになってしまいます。

③スマホのオンラインによるコミュニケーションの「成長」に与える影響

コロナ禍の中で対面からオンラインへとコミュニケーションが変化してきました。
オンラインでの会話は人間関係の入口をつくる程度で何ら子供たちの脳へのプラスの影響はありません。しかし簡単に多くの友人と話している感覚がつくられ、自己満足の世界が形成されます。対面での会話のチャンスが失われ、人間関係形成力が「劣化」していきます。さらに脳の前頭前野の重要部位の発達を阻害し「社交不安障害」や「引きこもり」へとすすんでいく可能性があります。

④スマホ・タブレットによる学習の問題点

文科省は2019年GIGA(ギガ)スクール構想を発表し、一人一台のタブレットを準備し「すべての子供たちが世界とつながる革新的な入口」を目指すという方針を提示しています。
これにより紙のメディアを使って苦労して答えを探す経験が失われるため脳に対する負荷が減少し脳の成長を阻害する危険性を指摘する学説も発表されています。

⑤身体に与える大きな影響

スマホは「ラク」するためのツールであるため、使い続けると脳に対する負荷が大きく減少し、成長期の子供たちの脳の発達を阻害し、未成熟のまま大人になっていく不安を指摘する研究者もいます。さらにスマホの毎日の長時間使用により視力の低下が著しく、メガネの対応の限界をこえる生徒も増加しています。
一部には大音量のゲーム音楽により聴覚障害の生徒まで存在しています。

スマホ依存への対応

以上の点を踏まえて、いかに「スマホ依存」に対応していくかということが一番重要な課題になると思われます。スマホを全面禁止にし、子供たちから取り上げることは現代社会においては大きな「逆効果」となる時代となっています。さらに「スマホ」対応を学校にまかせるのはさけるべきだと思われます。学校の先生にこれ以上の負担をかけて残業時間を大幅に増加させることは、教員志望者の更なる減少をきたすことにつながるので学校教育の混乱が危惧されます。
塾はそれぞれの教育システムの個性と自らの力量を考慮して、人数制限等により、質の低下を防ぎながら指導レベルを維持できるので、スマホ依存対応には適しているシステムを保持していると思われます。
それは、スマホ使用時間と自立学習をどのようにうまく調整して、スマホのマイナス部分を克服することを早期に学んでいくことでその正しい方向性が明確になってくると考えられます。
すなわち各自の「自己管理能力」の養成に長い時間をかける努力を惜しまない指導方針によって決せられる問題であると思われます。
スマホをめぐっての家庭での「戦い」はもう終わりにしましょう。スマホと学習の問題は専門システムにまかせ、家庭では家族の「対話」の時間を大幅に増やし親御さんのスマホの時間を質の高い生きたコミュニケーションの構築にふりむける努力をしていきましょう。生きたコミュニケーション能力の養成は家庭が原点です。

当塾の「自己管理能力」の養成方針

塾は「自己管理能力」に重点をおき、生きたコミュニケーション能力は家庭を中心に様々な人との多様性を持った対応をお願いします。

家庭学習がほとんど成立しない生徒に対しては必要な時間数を確保し、塾での学習でほぼ全面的に確保していきます。具体的には週3回型の指導ですが、更に週2回の自習型の時間枠を設定し、指導者が管理しながら必要とされる学習に全面的に対応します。増加分の費用はかかりません。
徐々に意識レベルを向上させ自習会の時間数を減少させていきます。1年~2年間と時間がかかるケースも存在することを前提とします。将来の本人の方針を明確にし、その実現のためスマホ時間を1日1時間程度まで減少させる計画を一人ひとりに合致させた方針で対応していきます。
ある程度「自己管理能力」が向上した場合は家庭での学習状況をチェックする形式で長期にわたり家庭学習を管理していきます。高校に入るまでにスマホ1時間以内の自己管理能力を実現します。

自らの力でのスマホ依存脱却が飛躍的成長の原動力

誰れも経験のない、指導者もいない人類にとって未知の世界で自らの力で「自己管理能力」形成を実現していくのは想像をはるかに超えるきびしい戦いです。
それを10代で実現しなければならないのは現在の中高生に課せられた歴史的任務です。
人間の歴史は過去に経験のないきびしい困難と戦うことで大きく成長してきました。目の前のスマホジャングルからの脱出は自らを飛躍的に成長させていく大きなチャンスです。新しい視点から考えるならば「きびしさ」が人間としての成長の原点です。現在の中高生は、このチャンスを目の前に与えられた幸せな世代です。このチャンスを突破して現在の20代や30代の先輩たちを大きく引き離すことのできるすぐれた「新Z世代」を形成することに挑戦して下さい。この世代が地方都市の経済的衰退のきびしい流れを逆転させる中核となると確信しています。